電子工作基礎 その1 LEDと抵抗の関係
Twitterを見ていると抵抗付けずにLEDさして変な音した。LEDと抵抗の関係がよくわからないというツイートを少し見かけたので、 LEDと抵抗の関係について軽く説明したいと思います。
豆電球の実験
小学校のとき電池で豆電球を光らせる実験とかした人も多いと思います。
単一電池や単三電池などを直接豆電球に繋いだのではないでしょうか。
その回路図はこんな感じになると思います。
電池と豆電球だけの極めてシンプルな回路です。
豆電球は中に入っているフィラメントに電気を流すことで、熱を発して光るという仕組みです。
このフィラメントが実質抵抗の役割を果たすため、他に何も繋がなくても適度に電流が流れるように調整されています。
もちろんそれでも許容量以上の電流を流せば焼ききれてしまいますが、実験で使う豆電球はそのあたりも考えられていたのでしょう。
僕らは特に難しいことを考えず電池を1つ繋いでみたり、2つ並列に繋いでみたり、直列に繋いでみたりして明るさが変化するのを観察したと思います。
LEDの場合
ではこれをLEDに差し替えてみましょう。
単純に考えるとこうなりますね。
豆電球をそのままLEDに差し替えてみました。
しかしこれでは問題があります。
豆電球はフィラメント式だったのでそれが抵抗の役割を果たし、一定の抵抗値がありました。 しかしLEDは半導体の特性上、かかる電圧によって振る舞う抵抗値が変わるのでそう簡単にはいきません。
更にこのままではLEDに大量の電気が流れすぎてしまい、強い光を放って一瞬で焼ききれてしまいます。
そのために直列に抵抗を繋ぎます。
こんな感じです。
このときに挟む抵抗のことを「電流制限抵抗」といいます。
電流制限抵抗の計算方法
電流制限抵抗を挟むのはわかりましたが、ではその抵抗値はどう求めたらいいのでしょうか?
LEDを買うと、大体順電圧と電流値が書いてあると思います。 書いてない場合は型番でネットで調べれば大体データシートが転がっています。
例えば以下の製品を見てみましょう。
5mm赤色LED 640nm OSDR5113A (500個入): LED(発光ダイオード) 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
◆VF:2.0V(IF=20mAにおける標準値)
◆最大電流:30mA
あとはデータシートを見ればもっといろんな情報がわかりますが、とりあえずはこの情報で十分です。
要は2.0V 20mAくらいを目安として、最大30mAくらいまでは受け付けるということですね。
ちなみにそれを超えると燃えたりする可能性があります。
LEDは流す電気の量に比例して明るくなっていくのでこのLEDの場合は30mAくらい流せば一番明るくなるということになります。
では推奨通り、LEDに2.0Vの電圧をかけ、20mA流すと仮定して抵抗値を計算してみましょう。
もう一つ必要な値があります。それは電源の電圧ですね。
Arduinoの5V出力を使うと仮定して、5Vとしましょう。
結論から言うと計算式はこうなります。
電流制限抵抗値(Ω) = ( 5.0(V) - 2.0(V) ) / 0.02(A) = 150(Ω)
今回の回路では電源に対して抵抗とLEDが直列につながっています。
電圧の特性は、直列に繋がっている部分は分圧され、並列の場合は同じ電圧がそれぞれにかかります。
反対に電流値は、直列に繋がった部分は同じだけの電気が流れ、並列の場合はそれぞれに対する電流値を足すと全体の電流値になります。
つまり今回の場合は電圧はそれぞれに分けてかかり、抵抗とLEDに同じだけの電気が流れるということになります。
電源が5V、LEDに2V、20mAを流すというのを図にすると以下のようになります。
抵抗には何Vかかり何mA流れると考えればよいでしょうか?
図を見て分かる通り、3Vと20mAだと思います。
これをオームの法則に当てはめると
抵抗値(Ω) = 3 / 0.02 = 150
となります。
しかし例えば電流制限抵抗に100Ωを使えば30mAちょうど流れるかというと、そうではないです。
ややこしいですが、電流制限抵抗の値が変わることで電圧の比率が変わるので、それは実際測定しないとわかりません。
なので慣れるまでは推奨通りにしたほうがいいと思います。
もっと明るくしたい!という場合は、そもそも高輝度なLEDを使えばやりやすいです。
LEDのデータシートにカンデラ(cd)という単位で書かれているはずなので、そのへんを見比べながら買ってみましょう。
オリジナルキーボードを作ってみる まとめはこちら。