ATX電源ブレークアウト基板を作ってみる その1 「設計編」
3Dプリンターに使えるATX電源のブレークアウト基板を作ってみます。
RepRap用に12V33Aの電源というちょうどいいのがなかなか売ってなかったので、ATX電源をブレークアウトして使うことにしました。
参考サイト
下記のサイトを特に参考にしています。
ATX電源ディストリビューター基板 | Genie's Blog
ATX PSU Dev Board - RepRapWiki
基礎知識とパーツ選び
ATX電源をブレークアウトするのに、直接24Pinケーブルをぶった切って繋ぐ事もできるみたいですが、汎用性を考えて基板から作ります。
ATX電源
RepRapWikiの方を見てみると、全てヒューズを噛ましてあるようですが、どうやらATX電源によってはちゃんと保護回路があり、過電流保護でちゃんと落ちてくれるそうです。
調べてみるとヒューズなしのものも多いので、今回は無しにしました。
(なのでATX電源選びは慎重になったほうがよさそうです。)
ちなみに僕はこれを買いました。
これを選んだ理由は450Wでセミモジュラー式だからです。
(今回使用するのはATX24Pinと4Pinのみなので他のケーブルはあるだけ邪魔なため。)
Corsair CX450M 80PLUS BRONZE認定 PC電源ユニット PS626 CP-9020101-JP
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最小負荷電流について
あとは基本的にATX24Pinのピンアサインを調べて、それぞれ適当に引き出せばいいかと思いますが、もう一つ注意点があります。 それは最小負荷電流というのが決まっているということです。
5Vや3.3Vに適当に電流が流れていないと、12Vからちゃんと12V取り出せない仕組みだそうです。
参考記事
最小負荷電流は電源によって様々です。基本的にはそれぞれの説明書に書いてあるようなのでそれを見たほうがよさそうです。
でも僕が買ったCX450Mは公式サイトからスペック表を落としても書いてませんでした…。
参考にしているATX PSU Dev Boardでは30Ωと22Ωの抵抗が使われているので、この場合は5Vが0.16A、3.3Vが0.13Aです。
ネットを見ると最小負荷電流のスペックは1Aや2Aくらいのものが多かったです。
もしかすると大電流を流すと発熱がやばいのかもしれないですが、そもそも最小負荷電流を満たしていない場合電圧が不安定になるはずなので困りました。
こればっかりは考えてもわからないので、あとは実際テストをしてみることにして一旦0.2Aほど流す想定にしてみます。
(最初は0.5A想定で計算してみたのですが、すると余裕を見て10Wのセメント抵抗を使うことになり、抵抗がでかくなったので5Wで収まる抵抗値でやってみます。)
なので5Vの方は22Ω、3.3Vの方は15Ω、電流容量の大きなセメント抵抗を使うことにしましょう。
調べた感じこの辺でしょうか。
22Ω 5W セメント抵抗
15Ω 5W セメント抵抗
ATX24Pinアサイン
ピンアサインは上記のとおりです(Wikipediaから転載)
8番Pin( Power good )は電源が入り、安定したら5Vになります。
9番Pin( +5V Stanby )はスタンバイ状態の時に5Vになります。
16番Pin( Power on )をGNDに落とすと電源が入ります。
なので16に電源スイッチ、8にPower On LED、9にStanby LEDを接続することにします。
使う電源スイッチはこれ
LEDにはそれぞれ手元にあった赤と緑の3mmLEDを使用しています。
回路図と基板設計図
大体決まったのでKiCadで書いていきます。
そんなこんなで回路図はこんな感じ。
基板設計図はこんな感じになりました。
今回はかなりの大電流が流れるのでパターンの幅はできるだけ広くとります。
というか基本ベタパターンにしました。
サイズは100mm x 100m の板から2枚取れるように100mm x 50mmです。
とりあえずこれで発注して届いたらまた記事にします。